漫画の画材 つけペン小話
【今回は漫画原稿で使用しているつけペン、「ペン先」のお話をします】
左は日本字ペン100本入りの箱、右は10本入りケース三段重ね
漫画制作の主役であるつけペンですが、ペン先には色々な種類があります。自分が使用しているのは下記の3つです。個人的な使用感となります。
・ゼブラ Gペン(10本入り 800円)
定番中の定番。ペン先が柔らかく、細い線から極太の線まで多彩な線が引ける。しかし取扱の難易度が高い。自分が使用しているのは普通のGペンではなく金色の「ゼブラ チタンGペンプロ」です。普通のGペンとの違いは別記。キャラの主線に使用しています。
・タチカワ 日本字ペン (10本入り800円)
マイナー?しなやかな線が引ける。引ける線の幅はGペンより狭い。変わった形をしていますが、癖がなく扱いやすい。Gペンと同じ軸で使用できます。現在は髪、服の皺、細かいキャラ、背景などオールマイティに使用。
・ゼブラ 丸ペン (10本入り 1400円)
定番。細い線が引ける。描く時のカリカリとした音が耳に心地よい。ペン先が固いので、抜きが作りやすく、集中線に使用しています。(アシ先が丸ペンで集中線を描く所だったので、そこで慣れた)あと背景。丸ペン対応のペン軸が必要です。Aタイプと柔らかめのEタイプがありましたが、Eタイプは生産終了したようです。
「ゼブラGペン」と「ゼブラ チタンGペンプロ」の使用感の違い
2014年の当ブログより引用元々Gペンはペン先が非常に柔らかく、最初は丸ペン並に細い線が引けて太い線もそこそこ引けます。
ペン先がほぐれてくると、かなり太い線が引けるようになります。
その代わり、細い線がひけなくなってしまうのですが
この金色のGペンはそのカバー範囲が広いというか、最初から細い線と太い線がひけて、ある程度、使い込んでも細い線が引ける感じ?これは体感としてパッとわかるレベルかと思います。
あと紙に対して滑らかで引っ掛かりが無い気が。
耐久性は従来の4倍と描いてありますが、自分は普段1本につき6枚程度なので、表記通りなら
24P分いけるはず。10本で240P。
現在、使っている物がただの当たりなだけかもしれないので、
真の使用感がわかるのは10本全部使ってみてからでしょうか。
しかし、これで10本の中でハズレが無いor少なかったら乗り換えですね。
従来品のGペンまとめ買いしたのが80本くらい余ってるんですけど…いや練習用に使えばいいか。
そして現在2018年。4年使用し続けた感想ですが、もう普通のGペンに戻ろうとは思いません。耐久性ですが、直近の連載だと備さんなのですが、24Pを1本でいけます。
ペンのハズレもほぼ無しでストレスフリー。ゼブラさんありがとう。欠点はまとめたページ数を描かない時に新しく下ろしてしまうのが勿体無い…でしょうか。高いので。
「ゼブラ チタンGペンプロ」は10本入り2500円です。
ゼブラ 公式サイトのつけペンまとめページはこちら
左から「Gペン」「チタンGペンプロ」「日本字ペン」「丸ペン」
■つけペンの小話
ペン先は消耗品です。線がイマイチになったら取り替えます。頻度は人によります。1Pごとに交換してしまう人もいれば、漫画一本描いてしまう人も。
加えてペン先は同じものでも個体差があり、当たりハズレがあります。ハズレを引いたら素直にそのペン先は諦めて新しいものに付け替えます。当たりを引いたらラッキー。いつもより気持ちよく線を引けます。
使い始めは油(?)がのっていてインクをはじくので拭いたり水ですすいだりして拭き取ります。昔はライタ―で炙っていましたが劣化すると言われた事があり、それ以来、炙ってません。あとはまあ、単純に紙の傍で火を扱うのも危ない。
また、インクのつけっぱなしで長時間置いておくと劣化します。こまめに水ですすいで水気をふきとってあげましょう。
■つけペンは慣れが必要?
つけペンは使うのに慣れと技術が入り、躓く人が多いかと思います。特に不器用には辛いものです。自分も躓いて転げ回りました。
自分の躓いた原因を振り返ると最初に手にしたペン先は漫画の技術書などで「定番」「初心者用」的な扱いをされているGペンでした。Gペンはポテンシャルは高いのですが、扱いが難しいです。今から考えると躓いて当然かなとも。
自分も未だに使いこなせていませんが、まあそこは練習あるのみですよね。
個人的には日本字ペンがとても扱いやすかったので、Gペンに絶望した方は一度使ってみてほしいなと。まあ今はデジタルという最終兵器があるんですけどね。
■つけペンまとめラストに
自分の話ですが絵が上手くないので、どんなつけペンでも大して変わらない。と昔は思っていました。道具全般に言えることですが、道具ごとに使用感は違いますし合う合わないもあります。
道具一つでちょっとでも絵が上手く見えるなら安いものです。
扱いやすい画材を探す努力は上手な絵を描けるようになる努力よりはるかに楽です。やっといて損はありません。
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